パパさんは、携帯で誰かと話してた。
お仕事関係やろか、なんて考えてると「いい写真が撮れると思うんだ」て言うてるんが聞こえた。
今の言葉でおそらく、電話の相手はママさんなんやろうと思った。
そんなパパさんよりももう少し離れた所で、冬真とれーくんは話してた。
さっきから何を二人で話してるんか、少し気にはなるけど、今は写真を優先。
と、そこでうちは気づいた。
「・・・これやな。」
うちは少ししゃがみこんで、下からのアングルで一枚写真を撮った。
きっと、今の写真がベストやろな、なんて思いながら。
すると、自然と笑みがこぼれた。
それを自覚すると、少し恥ずかしくて無理やり咳払いしてなかったことにした。
その後も何枚か撮って、携帯をしまったパパさんに近寄った。
「パパさん。」


