パパさんの手の中にあるカメラを見て、いよいよそのレンズを覗くんやと、心はウキウキしてた。
そんなうちに気付いたんか、パパさんは「まぁまぁ」と落ち着いて言うた。
「今日は楽しみだった?」
「はい!」
「うん。笑美ちゃんの目に、オーラに、全部出てる。」
微笑しながら、うちへその優しげな目を向ける。
やっぱりどことなく、れーくんに似てる。
思わず、トクンッと心が動いた。
ような気がした。
「よし、じゃぁこれで撮れるかな。」
いよいよそのカメラがうちの手に。
ズシッと少し重めの一眼レフカメラ。
夢にまで見たカメラが今、うちの手の中にある。


