「れーくん。ホンマは、れーくんがただ単に写真教えてもらいたいだけちゃうの?」
「一理あるだろうな。」
そこは否定せぇへんのや。
「でも、おかしいかもしんねぇけど、こうやって写真好きな奴となかなか会えなくてさ。だから、余計に呼びたいのかもな。」
「・・・認めたね。おかしいて。」
「だな。」
それからしばらくは、なんでか少し気まずくて、うちら以外に人がいない静かな路地は、靴の音だけが響いてた。
時々、この道を曲がって、とか、そこの信号は左、とかだけは伝えて歩いた。
そして、もうすぐうちに着くていうとき、れーくんが口を開いた。
「結局、どうする。明後日、来るか?」
「・・・気にはなるけど、明後日も晴れやったっけ。」
「多分な。」
天気やって晴れてへんと、写真を撮る意味がない。


