そんなに驚かんくても。
パパの焦り方は今まで生きてきた中でも、見たことがないくらいのものやった。
今にも泣きそうな目をして、うちの手をギュッと握ってるパパ。
まるで・・・今にもうちが死んでまいそうな勢いですけど!?
「パパ、うち死ぬんとちゃうから。バカやな、ぱ」
「死ぬとか言うな!」
「えっ・・・」
パパのその必死な声が、うちの心にグッサリと刺さった。
パパの悲痛な心の叫びやと思えた。
「ちょ、ちょっと自転車とぶつかっただけやったんやし?」
「もしもそれが車やったら?自転車でも、もう少し速度が出てたら?そんなん、命が関わってくるって思わへんのか?」
さっきとは打って違って、怒り始めたパパ。
何でこんな時に怒られなあかんの?


