「あててて、やないよ。もう・・・心配させて。」
「んー、ごめん。これからは、ちゃんと前見て歩くから。」
あれ?
これ、さっき女の子に言った言葉と同じや。
今日て、何かと色んなものにぶつかる日やったみたいやな。
最終的に自転車、て。
ほんま、車やなくてよかった。
そこだけはホッとできるな。
「入院とか、初めてや。なんか、変な感じやな。ワクワクかも。」
「旅行みたいな言い方せんといて?はぁ。ママの寿命が100歳縮んだわ・・・。」
「ママ、どんだけ生きるん?」
ママのちょっとしたジョークで、その場の空気が少しだけ明るくなったように思った。
うちは最初から明るかってんけど。
と、そのとき、勢いよく病室のドアが開いた。


