そのまま足の力が抜けたのか、ママが床に力無くしゃがみこんだ。
「お母さん、大丈夫ですか?」
先生がママの肩を抱いて、近くにあった椅子に座らせた。
「すみません・・・。まさか、そんな些細なことで事故に遭ったなんて・・・。」
「確かに些細ですが、仕方ありません。」
「わるかったな、些細で仕方なくて。」
うちはただ目をこすってただけやし。
特に変わったことでもなくて、いつもと同じことやったんやし。
「とにかく、軽い打撲と擦り傷で済んだんですから。安心してください。少しだけ入院してもらって、その後すぐに退院できますよ。」
「ありがとうございました・・・。」
ママが軽く頭を下げて、先生が病室を出て行ったのを見て、うちはそっと体を起こした。
「あてててっ・・・」


