欄に思いっきり腕を掴まれて、うちは隣の自分の教室に逆戻り。
事態がサッパリ読めず、なぜか欄にすぐ近くの椅子に座らされた。
「なんや!?欄!」
「笑美、何もなかったの!?」
「・・・へ?」
すっとんきょうな声で返事をすると「うそ~!」と欄が頭を抱えた。
「さっきから何!?うち、謝ったりお礼言ったりせなあかんし!」
「昼休みにしよう!とにかく聞いて!」
自棄に熱心に言う欄の目は、とてつもなく揺れてた。
「ど、どなしたん、欄。」
「笑美。笑美が、れーくんって言ってる人は」
―――ものすごく口が悪くて、態度もデカくて、偉そうで、友達も数少なくて、自分が頭いいからって調子のってて、すっごいクールな顔してて中身はすっごく野獣な獣だよ!?
一体何が起きたのか、全く分かりませんけども?


