目をこすりながらうちに話しかけてきたんは、パパ。
何かあるん、て言われても答えられへん。
「いろいろ!」
一言だけ答えて、全部の用意ができて靴を履いて出ようとした。
「笑美、待て!」
まるでペットのように声をかけられ、うちの足はストップした。
「何、パパ!」
フワッ―――
「襟が立ってたから。可愛い娘がそんな可愛いミスして、どないすんの?」
「可愛いミスやないやん!・・・ありがとう、パパ。」
「そんな焦って行って、また事故にでもおうたら、今度は前以上に怒るで。」
「はい!行ってきます。」
「気ぃつけてな、笑美。」


