帰るんが遅くならへんようにって、言い残して。
うちは欄に何があったか、サックリ話した。
れーくんと冬真のこと。
そのれーくんがうちにも数学を教えてくれてて、今日うちがメチャクチャなこと言って、冬真さえも傷つけて出てきてもうたこと。
結果、うちはれーくんのおかげで納得できた点も、今日改めて覚えられたこともあったのに、ひどいことを言いまくってもうたこと。
欄は最後まで真剣に聞いてくれた。
うちの肩に手を置いて「大丈夫?」と言いながら。
全部言い終わると、欄は改まった様子で「明日、謝ればいいんじゃない?」とうちの顔を覗きこみながら言うてくれた。
「・・・でも、あわす顔ない。」
「私も一緒に行くから。」
「・・・ありがとう。」
「帰ろ?」
「・・・うん。」
うちと欄は、それぞれ荷物を持って、すっかり日が落ちてもうた夜空の下、二人で帰った。


