欄がうちに駆け寄る。 「どうしたの!?なんで、泣くの?」 「・・・っさん」 あのとき、覚えられへんって言うた。 ウソで「覚えた」て言うた。 でも今は・・・なぜかあの一文が頭に出てくる。 「っさん、かっけい・・・のっ・・」 「・・・笑美?」 「二辺っとぉ・・・っその間、の角がっ・・・」 ―――それぞれ等しい。 『せめてここだけでも覚えて、明日なんでこうなるのか解き直せばいい。』 『本来なら、最初から最後までだぞ。かなりサービスしたつもりだ。』 れーくんは、悪くなかった。