「・・・冬真。」
「れーくん、悪気とかないから。ああいう性格で」
「冬真はええよね。」
「・・・え?」
「冬真は、れーくんのことちゃんとわかってるやん。でも、うちはわかってへん。あの性格を受け入れられへん。」
別に冬真にキツク当たる必要はなかった。
でも、この時のうちの心の中は、何とも言われへん思いで埋め尽くされてた。
「さようなら。」
吐き捨てるように言って、うちは欄の待つ教室へ急いだ。
「・・・キツイな。」
図書室でボソリと呟かれた言葉は、うちや冬真に届くことなく儚く消えた。
ガラガラ―――
教室のドアを開けると、そこには中島先生と欄の姿があった。


