「ほな、また明日!」



「メガネ、早よ直してもらえたらえぇね。」


「なんとかするわ。」



「ばいばいっ!」



蘭と別れて、うちは家に向かった。




その途中、本屋さんに寄ってとある本を手に取る。




それは、うちが尊敬しとる写真家さんの写真集。


「欲しいわぁ・・・」



けど、あいにく、うちにそんな写真集を買えるほどのお小遣いは無く。


いつも表紙を見るだけ。



中身が見たくても、このフィルムのせいで見られへん・・・。



悔しいけど、毎回出るたびに表紙がどんなものなのか楽しみに待つことも幸せなような気がする。



小さな幸せやけどな。