マッキーは切なそうに私を見て、Uターンした。

「追いかけなくていいのか?」

 龍二が聞いてくる。

「いいの…」

 私は小さくなっていくマッキーの背中を見ながら言った。

「なんでだよ?恋人なんだろ?」

「恋人じゃないよ。別に好きな人でもない」

 私の言葉に、龍二は「ふぅーん」と言って、上靴を脱いだ。

「美紀、送ってくよ」

「へ?」

「俺、暇だからさ。送ってってやる」

 マジメな龍二が珍しいなぁ。

「感謝しろよ?」