「いい、サボるから」

 私は教室を出た。

 四月から私は授業をサボることが結構あるんだよね。

 サボるときは大体屋上で。

「ふぅーん?」

 琴美は私を止めようとするでもなく、席に座った。

 私たちの教室から屋上までは近い。廊下から屋上に通じる階段までわずか十秒で着くんだよ。

 屋上に通じる重たいドアを開けると、冷たい風がビューッと吹いた。

「きゃっ」

 めくれ上がったスカートを押さえる。

 ふとY高校に目を向けると、見覚えのあるシルエットがいた。金髪に近い茶髪で、制服を着崩している。

 マッキーだった。

 マッキーは私を見て、それから屋上を出て行った。

 …嫌われちゃったのかな?私。