マッキーはキスをやめた。

 苦しくて、私は大きく深呼吸をした。

「…あら、その子、ずいぶんとかわいいじゃない」

 急にマッキーのお母さんが私に近寄ってきた。

 私の頬に触れる。

 さっきまでの怖い顔はどこへやら。目尻を下げて、私の顔をペタぺタ触る。

「この子、かわいすぎ!女の私でもどうにかなっちゃいそう!」

 マッキーが苦笑しながら、「だろ?」と言った。

「…でも、あの子には会ってくこと。じゃないと、私たちの家だって、破産しかねませんからね」

 マッキーのお母さんは、厳しく言って、立ち上がった。

「私は、先に行ってますから」

 マッキーは私の髪に触れ、

「よくやった。あとは花梨さえ納得すれば婚約は解消だ!」

 ご機嫌そうなマッキーは、廊下に出て行く。

「行くぞ」