壁も土壁だし、何より障子がある。 さっきまでの西洋風な廊下からは想像ができない。 ――と、不意にマッキーが立ち止まった。 拍子に、マッキーの背中に激突する。 「この先に、俺の母さんがいる」 マッキーが静かに言った。 「え?」 「オマエは、俺の恋人のフリをしてくれりゃいい」 私は頷いた。 「じゃあ、入るぞ」 マッキーが、ふすまをノックした。 急に動悸が激しくなっていく。 「博斗なの?」 甲高い声が、聞こえた。