手を伸ばして前のめりになった途端。 背中に腕を回されて、一瞬で私はマッキーの腕の中にいた。 「は、離してよ!」 「離さないよ、ミッキー」 耳元で囁かれた。 心臓の鼓動がスピードアップしていく――。 げ、限界!ギブアップ〰〰〰!! 「携帯返しても逃げないなら、返してあげるよ?」 「帰る!」 「じゃ、返してあ・げ・な・い!」 〰〰〰〰〰〰〰〰〰っ。 完全に、負けた。