「…あるっつったら、強がりにしかならない。…帰るところなんか、ない」

 ナツが答えた。

「ないなら…――ここにいてくれない…?」

 私はおそるおそる聞いた。

「似た者同士、気が合うと思うし…」

 そっと顔を上げると、ドアの前にいた筈のナツが目の前にいた。

「オマエはそれでいいのかよ?」

「え?」

「俺が一緒に暮らしても、お前はいいのか?」

「平気ですわ。恋人いないんで」

 私が言うと、ナツはベッドに腰かけた。

「暫く一緒に住ませてもらうぜ」

「よろしく」

 私が言うと同時に、ナツは私を抱き寄せた。



  END