ごみ箱に丸められた白い紙。

 それを見ると、思い出すのは彼のことだった。

 私の婚約者だった、真木博斗様。

 愛していたのに。

 ある日突然現れた、東城美紀という女によって奪われた――。

 私は婚約解消された。

 ごみ箱に入った丸められた紙を広げる。

 26の数字に丸印のつけられた先月のカレンダー。

 元婚約者と、あの忌々しい女の結婚した日。

 私は広げたカレンダーを丸めてごみ箱に戻した。

 そんな時だった。

 電話が鳴った。