「…ねぇ、琴美って、フリー?」
携帯から顔を上げた純也が聞いてきた。
「え?」
食べかけのカレーライスを食べる手を止めて、私は純也の顔を見た。
「琴美、付き合ってる子いないの?」
純也は、どういう心理で聞いてきてるんだろう?
私のことが好き、とか?
それともただ単に、モテない私をからかってるの?
不安に押しつぶされそうな私の目をしっかりと見て、純也は言った。
「好きな人とか、いないの?」
…私の好きな人は、今私の目の前で私を見ている純也――。
でも、本人には言えないよ…。
「あ、あのさ、琴美?一応今の、告白のつもりだったんだけど?」
拍子抜けた。
今のが、告白?