あの合コンの途中、悪酔いした玲を家まで送った俺は、そのまま酔いつぶれ、玲の家に泊めてもらった。それ以来、毎日連絡を取り合うようになり、付き合うようになっていた。

 合コンの時、送って行くと名乗り出たのは俺だった。それはたぶん、玲に美紀の面影を見たからだ。

 付き合い始めて三か月。美紀と付き合ったのと同じくらいの歳月を過ごしている。

 好きになったきっかけはまだ忘れられない美紀と、玲をつい重ねてしまったから。

 出会った場所は渋谷の居酒屋。

 別にロマンチックな出会いじゃない。

 でも、あの時玲を送って行かなけりゃ、合コンで少し喋っただけ――っていう相手だった。そう思ったら、凄い偶然で俺ら付き合ってるんだな、なんて思えてくる。

「龍二、こっち!早く早く!」

 俺は俺の名前を呼ぶ玲を見た。今はもう、美紀の面影を玲に見ることはない。

 付き合ってみて、玲と美紀の違いをたくさん見つけられたから。こんなに女子を好きになったのは、美紀以来で、もしかしたら、美紀以上に好きになれた女かもしれない。

「早くしないと、映画始まっちゃう!」

 玲が映画館の前でもう一度言う。

「今行く」