店の入り口に立っているのは、俺の仕事場での同期たち。

「あれ、珍しいな龍二!珍しく龍二がドべじゃん」

 真っ先に口を開いたのは、赤髪の坂之上煌。

「あぁ――ついてなくてさ」

「そうなのか?運がない日ってとことん落ちるよな」

 俺の同情するのは金髪の井口浩平。

「お、わかってくれるのか?」

「ったりめぇだ!俺なんか運に突き放されてマンホールに落ちたからな!」

 それは運に突き放されすぎだな。

 俺は思った。

「…それはやりすぎっしょ!」

 人差し指を突き立てるのは香坂蓮。黒い髪はまじめそうなのに、耳に開いた穴の数が、変えがヤンキーなのだと教えてくれる。