「はいはい、どちら様~?」 出てきた母さんが玄関に来て、固まった。 目がハートマークになっている。 「あの、えっと、どういったご用件でしょう?」 「僕、真木博斗といいます」 一人称「俺」のマッキーが珍しく「僕」と名乗る。 「あ~、はい」 相槌を適当に打ちながら、母さんは「どういうこと?」って顔で私を見る。 マッキーは私の肩を抱き寄せて、それから言った。 「美紀さんと、お付き合いさせていただいてます」