「いよいよ卒業だね、マッキー」

 私は、マッキーを見上げた。

 手を繋いだまま前を見て歩くマッキーが一瞬私を見て、

「だな」

 とだけ言う。

 今日は、マッキーの卒業式。

 だから、こうして二人で登校するのは最後なんだ。

 私は悲しくて仕方がないのに、マッキーは「だな」の一言で終わり。

 なんだか悔しかったから、私はマッキーも悲しんでいるんだ、と思うことにした。

「じゃ、また後で」

 私たちは門の前で別れた。

 不安だ。…不満だ。

 そりゃ、マッキーは卒業式なんだから、考えることだってあると思う。

 でも、恋人なんだから、私のことだって考えてよね。

 不満と不安を抱えながら昇降口に入り、教室へ向かう。