溢れだしそうな思いを胸にしまいこんで、私は屋上を後にした。

 近くにいたら、間違いなく抱き着いてた。

 学校の距離と私たちの心の距離が重なって見えて、それがすごく悲しかった。

 屋上でマッキーと会って私は、改めて実感した。

 私はまだ、マッキーのことを忘れてない。

 …忘れられるわけないんだ。

 授業を受けていても

 誰かと話してても、笑ってても

 何をしていても

 マッキーの顔が離れない。

 私、重症かもしれない。

 そう考えて、私はマッキーと付き合う前のことを思い出した。恋がどんな気持ちかを知らなかった私は、琴美に「私、病気かもしれない」って縋り付いたんだよね。

「東城さん、放課後ね!」

 トイプーくんに念を押されて思い出す。

 あ、約束のこと、すっかり忘れてた。