リビングにおいてある電話が鳴った。 「お姉ちゃん、出なよ」 弟の逞が言う。 「わ、わかった」 私は受話器を取った。 「はい」 『あ、美っちゃん?俺俺!』 俺俺詐欺!? ってゆぅか、私のことを「美っちゃん」なんて呼ぶの、一人くらいしか思いつかない。 今朝のイケメンさんだ。 「なんで私の家の番号知ってるんですか?」 私が聞くと、 『お前の携帯に登録してあった』 相手はあっさりと告げた。