私が発言するたびに、琴美の顔は険しくなっていく。

「一生片思いってこと?」

 最初は、時間が忘れさせてくれるって思ってた。

 でも、時間が経つにつれて思い出していくことに気付いたんだ…。

 だから、そう。

 私は一生片思い。

「うん」

 それでもいい。

 付き合ってツラいこともあったし、悩んだことだってたくさんあった。

 でも、好きでいるだけなら…一生片思いなら、そんなツラいことも悩むこともない筈。

 ふと教室に目を向けた。

 このクラスの大半は男子。

 グループになってる男子や、ふざけ合ってる男子が目に留まる。

 だけど、いつからなんだろう…。クラスの男子が、こんなにも色あせて見えるのは。

 最初は、かっこいい男子を探してはしゃいでたのに。