――美紀、愛してる。

 沖縄で、あの人に囁かれた言葉。

 あの夜の感覚がはっきりと鮮明に思い出された。

 気が付くと、私は泣いていた。

「…美紀?」

 龍二の声で、現実へ引き戻される。

 だけど、心はどこか別の場所にあるみたいで。

「ごめん…っ、龍二…っ」

 私は泣きながら謝った。

 ごめん、龍二。ホント、ごめん。私、まだ忘れてなかった。

 龍二は、すぐにやめてくれた。





 私には、まだ残ってたんだ。

 マッキーへの恋心が。