つまらない、退屈だった日々はすぐに過ぎ、龍二と付き合う日々が始まった。

 龍二と付き合う期間は、あっという間にマッキーと付き合ってた期間を超した。内容の詰まった一か月より、内容の薄い二か月間の方が長い。

 キスもした。

 唇を重ねる瞬間、閉じた瞼の裏側に浮かぶのは、いつもあの人の顔で。

 きっと、龍二も気づいていたんだと思う。

 もしかしたら、気付かない方がおかしかったのかもしれない。

 だけどそれ以来、龍二は私に触れることを躊躇うようになった。

 触れるたびに、私があの人のことを思い出していることに気付いていたから。

         ☆

 龍二と付き合い始めて三か月。

 その日は私の誕生日だった。

 龍二の家に呼ばれて、私は龍二のベッドの端に腰かけた。

「じゃーんっ、これがケーキ!」