マッキーからは一日に何回も電話がかかってくる。

 今までは電話に出なかったってだけでK高校の門の前で待ち伏せてたくせに、今はそんなこともなくて。

 もしかしたら、マッキーは私と別れるために電話をかけてくるのかもしれない…。

 なんて考えていると、携帯のスピーカーから『ラブストーリーは突然に』が流れ出した。

 マッキーからの電話だってことは、間違いない。

 携帯のディスプレイに『マッキー』の文字。

 胸がズキズキと痛んだ。

 私はマッキーからの着信音を聞きたくなくて、携帯の電源を切った。

 授業を受ける気にもなれなくて、私はあと残り五分で休み時間が終わるにも関わらず、屋上へ向かった。

          ★

 屋上のドアを押すと、ギギギギギ…と、錆びついた音が響いた。

 錆びついた重たいドアに体を滑り込ませて、屋上に入る。