「なんで?」

「私の予想が合ってたら、その人…―――」

 そのとき、琴美の携帯が鳴った。

「はい?」

 琴美が携帯を出して、電話に出た。

 琴美の電話の相手の声は、私の耳にまで届いた。

『あんた、どこで何してんのよぉーっ!?今日は医者でしょ!!!』

 相手は、琴美のお母さん。口調からしても、かなりご立腹。

「あ、忘れてた!」

『忘れてた、じゃ、ないでしょ!?すぐ帰ってきなさい!!』

「わかった」

 琴美が電話を切る。

「私、先にお金払っとくから!アンタはそれ完食してから帰りな」

 琴美はそう言って、財布を出しながら店のレジまで歩いて行った。