「真木先輩の気持ち…」琴美はチェシャ猫みたいに笑う。「試してみない?」

 琴美の言葉の意味が分からなくて、私は「へ?」と聞き返した。

 膝の上で握りしめた拳が、頼りなく震える。

「真木先輩がアンタをどう思ってるのか試すの。アンタを好きなのか、それとも遊びなのか」

 答えを知るのは正直怖い。

 もし、遊びだったらって考えただけで怖いよ。

「作戦とか、あるの…?」

「もちろん!早速明後日、実行するわよ!」

 琴美が張り切って言った。

 私は、マッキーの気持ちを知りたいって思う気持ちと、それを知った自分が傷つくんじゃないかって不安で押しつぶされてしまいそうだった。