「だってさぁ、十六歳にもなって、まだ初キスしてなかったのかぁ、って思ったら、笑えて来ちゃった」

 えぇぇ!?

「琴美はあるの?キスの経験」

 私が聞くと、琴美は「もちろんよぉ!」と言った。

「黒田くんと?」

 私の一言で、琴美は耳の端まで赤くなった。

「んなわけないわよっ!」

「え、でもすきなんでSY―――もがっ」

「あとで好きな物おごってあげるから、それ以上言わない!」

 私は琴美に口を塞がれた。

「ビンゴ?」

 そっと聞く。琴美が頷いた。

「そりゃ、好きだけど…キスはしてない」

 ふぅん。

「じゃあ、誰としたの?」