「してないっ」
私が言うとマッキーは意地悪そうに微笑んで、
「ふぅーん?」
意味ありげに言って私を離した。
暫く私たちは、何も話さなかった。ただ手を繋いで歩くだけ。
私は頭の中でいろんなことを考えてた。あの日本家屋に行くのやだなーとか、婚約者に会うのやだなーとか。
考えてると、マッキーにおでこを小突かれた。
「あひゃっ」
「ついたぞって言ってんだろが。人の話きけっつぅの」
何回も声をかけられていたみたいだった。
「ここ?」
私は、マッキーが指さした方向を見て唖然としてしまった。
「マッキー、引っ越したんだねぇ」



