俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋




 女の子たちに囲まれてるのって、どんな男子でもやっぱり嬉しいものなんだろうね…。

 だんだん、マッキーが私のこと待ってるんだろうとかいう気持ちも消えて行った。

 マッキーを囲んでる女の子たちは皆化粧をしていてオシャレでかわいい。

 それに比べたら私なんかかわいくないしオシャレでもない。マッキーに似合うのはあぁいう女の子なんだよ。

――アンタ、真木先輩のこと好きなんでしょ?

――素直になりなよ。

 萎えてた私の耳元で、琴美の言葉が鮮明に蘇った。

 そうだよ、私はマッキーのことが――

「好き」

 小さく呟く。小さな呟きは教室の静寂に吸い込まれて消えて行った。

 気付いてしまった、うぅん、もっと前から気付いてた。気付いても、気付かないふりをしていただけなんだ…。 

「好き」

 もう一回、さっきより大きな声で言ってみる。今度はちゃんと耳に届いた。

 私は、今度こそ外に出た。