教室に戻った私を琴美が出迎える。

「琴美ぃ。私、病気かもしれない…」

 私の言葉に琴美は目を見開いて、それから私を教室から連れ出した。

 連れて行かれたのは自習室っていう人がめったに入らない場所。本来なら鍵がついてるんだけど、文化祭のときにY高校の人たちが喧嘩して壊れちゃったんだって。

「で、何があったの?」

 琴美が不安そうな、でも笑顔で聞いてきた。

「うん、実はね…」

 私は、屋上に行ってからの出来事を打ち明けた。今まではマッキーのことを打ち明けたいって思わなかったのに今日は、話したいって思えた。

 マッキーが女の子といたこと

 そのことに嫉妬してしまったこと

 マッキーから電話を切ってしまったこと

 出来事を全て打ち明けると、琴美は「なんだ」とでも言いたげな顔をした。