『こっから見える』

 私はさっきマッキーを見つけた場所を見た。マッキーも車も、女の子も皆いなくなっていた。

 マッキーはどこから私を見てるんだろう?

 私はマッキーの姿を探した。

 携帯の向こうのマッキーが笑う。

『屋上だよ…Y高校の屋上』

 私はY高校を見た。

 向こうのフェンスの隙間から金髪に近い茶髪が見える。いつの間にか移動してたみたいだった。

『なぁ…何かあった?』

 マッキーのその一言は、私の心を全て見透かしたみたいで。恐怖を感じた。

 なんでそんなこと言うの?聞きたいけど、聞けない。

「…何もないよ?」

 心の中を見透かされないように明るく振る舞って見せた。

『俺に、言えないこと?』