「…美紀?そろそろはっきりしたら?」

 琴美が立ち去る百合ちゃんの背中を見ながら言った。

「何を?」

「真木先輩のこと、どう思ってるの!?」

 琴美が苛々を含んだ口調で叫んだ。

「どうって…ただの先輩だよ?」

 私の言葉に、琴美は大きなため息をついた。

「あのねぇ…。ただの先輩の連絡をアンタはずっと待ち続けてるわけ?」

 私はうぐっと息を呑んだ。

「待ってないよ!?」

「待ってるじゃない。携帯いじらないアンタが、また携帯いじってるじゃない」

 私は恨みがましく携帯を見た。