自分でえいっとか言って私に飛びついて来た。
状況が飲み込めません。
「…ちょ、しょ………。」
「欲しいんでしょ、飴ちゃん。」
「欲しいですけどどうして貴方が飛びついてくるんですか。」
「飴ちゃん渡す為。」
「は?だからどうし―――」
チュ、と音を立てて祥弥の唇が私のそれに重なった。
驚いて少し口が開いてしまった私。
開けてくれてありがとう、と言わんばかりにスルリと入ってきたものは恐らく、いや絶対に祥弥の舌で。
逃げようとしたら後頭部をがっちり押さえられててもう片方の腕は背中に回っていた。
…ごめんごめんごめん、どうすればいいこの状況。
絶賛混乱中の私が落ち着いたのは、カランという音と共に口の中が甘くなったことからだった。
抵抗をやめると素直に祥弥は離れていく。
「え……っと…。」
「今日は初チュー記念にしとく?」
カァァァッと、もう全身の血が沸騰しているんじゃないかというくらい熱くなった。
「し、ししししなくていい!だ、だだ第一、きゅ、急に…!」
「そんなに動揺しなくてもいいだろ?そう言えばまだしてないなーと思ったら、ね?」
同意を求めないでください。
「さ、飴ちゃんはあげたんだから直して。」
「なにその余裕。なんかムカつく…。」
「余裕?ないない。」
「は?」
「理性保つのに必死。」
「殴っていい?」
ほんとに殴りはしなかったけど、それくらい恥ずかしくて嬉しかったという事で。
ΦFINΦ