と、忙しかった日々が過ぎ。


「ここの問題、間違ってる。」


「え、嘘。」


進級試験の勉強の真っ最中であります。


先生は勿論祥弥。


「楓って基本できても応用できないのな。」


「基本だけ分かってればいいと思うんだ。」


「言い訳してないで直す。」


赤ペンでとんとんとノートを叩く。


「…めんどい。」


「めんどいじゃなくてなー…。」


「やるからそれ頂戴。」


私が指差す先にはミルクティー味の飴ちゃん。


私にって買ってきたんじゃないの!?


なんでどんどん祥弥が食べちゃってる訳!?


「……………。」


「……………。」


「そんなに欲しいの?」


「欲しい。」


「分かったくれてやる。」


っしゃ!


もらえる!


きっと1つ投げてくれるだろうと手を出そうとすると…


「えいっ。」


「へ?」