「そろそろだね。」
「あぁ、お金出しとくか。」
スッと離れた手。
…お金取る為に離したってだけなのに、なんでこんな気持ちになってんの。
自分が馬鹿らしい。
「あ、5円がない。」
「1円でいいじゃん。1円もこれ以上崩れないようにってことでいいんだよ?」
「へー。」
「知らなかったの?」
「知らなかった。」
「……あらそう。」
「楓。」
「なに?」
「1円もない。」
「……はい5円。」
まさかの……。
なんだろう、なんか変なとこ抜けてる。
そして、私達の順番がきた。
お賽銭を入れて、願う。
どうか…
((今年1年がとても幸せな年でありますように、大好きな人とずっと一緒に居られますように))

