前の雅と大和君はもうすでに2人の世界。
「楓?」
「なに?」
そういう私と祥弥もはたから見れば2人の世界にいるカップルなのだろう。
「さっきも言ったけど、似合ってる。振袖。」
「あ、ありがとう…。」
「あ、デレた。」
「っ!」
「はいはいすぐに手を出さない。」
肩パンしようと上げた手は祥弥に掴まれて、そのまま手を繋がれた。
その一連があまりに自然だったから、手を振りほどくタイミングを逃す。
しかも恋人繋ぎときた。
…恥ずかしいんですけど。
「…あとで林檎飴買おうか。」
「林檎飴?」
「そう。楓好きじゃん、林檎飴。」
「夏祭り行ったの随分前なのによく覚えてたね。」
「そりゃ、大好きな子の好きな食べ物だからね。覚えてない訳ないじゃん?」
「……祥弥変わった。」
「そうかな?楓も変わったよ。女の子らしくなった。」
「っ。前はそんな事絶対に言わなかった!」
「顔赤いよ?」
あぁもう、調子狂う。

