「祥弥…。」
凄く驚いた顔をしていたと思う。
「俺は楓が好き。ずっと前から、楓が好きだ。似たような事、考えてたんだよ。」
似たような事はきっと私が妹くらいにしか思ってないって言うのと同じって事だと思う。
祥弥も私は自分を兄くらいにしか思ってないと思ってた訳だ。
「好きだよ。」
その言葉を聞いた瞬間に込み上げてくるものが抑えられなかった。
祥弥の顔が歪んで見えて、あぁ私きっと酷い顔をしてるって思って顔を隠す様に祥弥に抱きついた。
祥弥の腕がすぐに私の背中に巻き付いた。
「楓は?俺の事好き?」
その問いかけに私は頷いた。
「ちゃんと言って、楓。」
それでは満足してもらえず、そう言われた。
今絶対声変だからやなんだけど…。
「…好きだよ。」
「うん。」
「絶対叶わないって思ってたから夢みたいだ…。」
「俺もだな。」
顔を上げると見たことないような優しい表情で私を見てて。
「酷い顔。」
と笑った。
「う、うるさい!」