『好きだよ』



素直に申し訳ないと思った。


暫く、沈黙があった。


『……ごめんな、楓。』


「なんで祥弥が謝るの?」


『立花の告白はきっちり断った。』


立花さんのあの日の勝ち誇った顔が頭に浮かんだ。


「…直球で来るね。」


『俺らしくないか?』


「うん。もっと回りくどく言ってくるのかと思った。…そっか、断ったの。」


『あぁ。立花良い奴かと思ってたんだけど楓の事悪く言ったから。』


あぁ、確かに私の事ぼろくそに言いそう。


同級生じゃなくてよかったわ。


『ねぇ楓。』


「なに?」


『楓は俺の事、好き?』


…ほんと、直球で来る。


「『俺は楓の事、女の子として好きだよ。』」


機械越しと、すぐ後ろで同じセリフが聞こえた。


こんな少女マンガのような展開って本当にあるんだな。


って振り返るほんの一瞬でそう思った。



振り返ったら祥弥が居て、私を真っ直ぐ見てた。