『好きだよ』



1時間かけて服を選んで、ショッピングモールに向かった。


途中まで雅も一緒で、時々逃げようとする私を止めてた(腹括るって言ったの誰だよ)。


「ねぇ雅…。」


「駄目、行って来なさい。」


「だって雅1人になっちゃうじゃん。」


「ご心配なく。大和呼んであるわ。」


「………行ってきます。」


「うん、いってら。」


雅に送り出されて人で溢れ返るショッピングモールの中へ向かった。


入口の端の方で“着いたよ”と祥弥にメールを入れるとすぐに返事が返ってきた。


“適当に歩いてて。電話する”


私はそれに了解と返信してとりあえず歩いた。


ちょっとして、スマホが震えた。


勿論祥弥からで、歩く人の邪魔にならないように端に避けてから通話ボタンをタッチした。


「…もしもし。」


『あ、楓?よかった、出なかったらどうしようかと思ったよ。』


「うん、ちょっと聞こえなくて反応遅れた。」


ずっと握って待っていたなどと言える訳もなく。


ぱっと思いついた言い訳をして誤魔化した。


「…この前はあんな態度とってごめん。連絡も返さなくてごめんね。」


『あぁ、返信がないのは流石にちょっと傷ついたかも。』


「うっ…ごめん……。」