『好きだよ』



とりあえず雅を座らせて、キッチンから麦茶を持ってきた。


「なにがあってここまですっ飛んできたの?全くと言っていいほど分からないんだけど…。」


雅は出された麦茶を一気に飲み干して私に詰め寄った。


「分からないの?!メールも電話も出ないから心配になって祥弥さんのとこに行ったら…。」


「あぁー……。ごめん、雅のメールは見たんだけど返したつもりになって見て納得して終わってただけで、電話はタイミングが合わなかったというか…。」


って、祥弥のとこに行ったのか。


それじゃぁ、雅がすっ飛んで来る訳だ。


「さぁ、話してみなさい。」


「いや、その様子だと祥弥から聞いてるでしょ。…あんな別れ方してきたから暫く会いたくない。」


「楓……。」


「だって、バレちゃった…。言うつもりなんてなかったのに、急に妹みたいに接してた子に告白なんてされたら戸惑っちゃうじゃない。妹みたいに見てた女の子を急にただの女の子としてみるなんて出来ないと思ったの。」


だから、だから言わないでこのままでいいって自分にブレーキ掛けてたのに。


「そんなのただの楓の憶測じゃない。」


「うん、そうだね。」


そうだ、ただの憶測だ。


でも当たっていたら…?


雅の顔が見れなくて膝を立ててそこに顔を埋める。


これ以上、雅のほんとに心配そうな顔見てたら泣きだしそうだ。