「その荷物でなんか買いにきたのか?」
「うん、寒かったからミルクティーと思って。」
「あぁ、なら奢ってやる。」
待ってろ、と祥弥はお握りの隣にある温かい飲み物の棚からいつもくれるミルクティーを持ってレジに行った。
必然的に同級生さんと2人きりになる。
「あんた、黒澤君と仲良すぎない?」
「そうですかね。」
「悪いけど、クリスマスに黒澤君に告白するから。」
「…何が言いたいんですか?」
やけに余裕をかましている同級生さんに初めて視線を向ける。
「あんた、黒澤君の事好きでしょ。」
「…。」
何よその勝ち誇った顔。
「…楓?立花?」
祥弥の声がして振り返ると、驚いた顔をした祥弥がいた。
もしかして、聞かれた?
「楓……今の話。」
「な、何の事……?ミルクティーありがとう私帰る。」
早口でまくし立ててミルクティーを奪い取る様に祥弥の手から取った。
「待て楓!」
祥弥に腕を掴まれたけど振り払って、なんとなく同級生さん…立花さんが鼻で笑った気がした。
待つ気なんてない。
待てない。
立花さんに祥弥が好きなんでしょと言われ否定しなかった。
それを聞かれていたなら、私が祥弥を好きだって分かってしまった筈だ。

