放課後、雅は私を引っ張って学校の目の前にあるコンビニに入った。


「いらっしゃいませこんにちわー。」


と、ありきたりな挨拶がレジからとぶ。


「あれ、レジに居ないね。」


「いつもレジとは限らないでしょ。」


2人でコソコソと話しながらお菓子の棚の列に入る。


「あ、楓と雅ちゃん。今日も来たんだ。」


と、私達を親しげに呼んでお菓子の補充をしていた店員が立ち上がった。


「…祥弥、大学は?」


「今日は午後休校だった。」


この店員こそが雅の言ってた私の好きな人。


私の、片思いの相手だ。


「楓、今貸してるマンガのシリーズの新刊出たよ?」


「マジで?」


「おう。今度買っておくな。」


そう言って祥弥は私の頭をくしゃくしゃと撫でる。


「…うん。」


私は返事をして、手を伸ばして100円均一のクッキーを取った。