「じゃ、クリスマスイブとクリスマスを楽しめるのは雅だけだねこのリア充が。」


「え!?雅ちゃん彼氏いたの!?」


私の一言に祥弥が驚いた声をあげた。


女子高生だもん、彼氏くらい居たって別に驚かんだろ。


……羨ましいが。


「そうかー。そうだよなぁ…。」


「祥弥さんは知らないでしょうけど、楓だって人気高いんですよ?」


ニッコリと雅が言った。


………て、ん?


「「はぁっ?!」」


「なにそれ私知らない!」


「いやいや、楓が知ってたらおかしい。男子の中で結構楓の名前上がってるよ?」


「その中に楓がいいなー、って思う人は居ないんだ?」


と、やけに真剣に祥弥が食いついた。


「はい、楓の好きな人は現れず…。」


ね?と私に話を振ってきた雅。


雅はきっと、このタイミングで告白しろって事で振ってきた。


……んなのできるか!


「えっと……そうだね。学校に好きな人は居ないかな。」


私はしどろもどろに答える。


「学校『には』?じゃあ違う所に居るんだ!!」


雅あんたねぇぇぇぇっ!!


「えぇっと………クシュン!」


と、なんともいいタイミングでくしゃみが出た。


「大丈夫、楓?冷えちゃったぽいし、今日はお開きにしよう。」


祥弥がティッシュを私に渡しながら言った。


雅は渋ってたけど、祥弥が兄ちゃんの部屋に「おやすみ」って入って行ったから私達も寝た。