「おかえりー。」
「うん。」
部屋に戻るなりベットに寝転がる雅に抱きついた。
自慢じゃないが、私は自他共に認めるツンデレである。
それを1番知っている雅は、普段デレる事のない私が抱きついた事に驚いたようだ。
まぁでも、雅にデレを見せるのは初めてじゃ無い為雅は「どうぞ」とだけ言った。
「…苦しいです。」
「恋ですねぇ。」
「あの人はなんですか…。優しいお兄ちゃんのつもりで気遣ってくれてるんだって分かってるけど苦しいんだよ…。」
「そんなものですよ、楓サン。」
「うん。初めてなんだもん…。」
「あいつにはドキドキしなかったんだ。」
「微塵も。」
「え。」
「嘘。でもここまで悩むほどにはならなかった。」
「そっかー。初々しいね、楓。」
「うっさい。」
「まぁ…楓にはツンデレという素晴らしい武器がおありになりますので、それを使ってみては?」
簡単に言ってくれますわね、雅サン。
「…ありがと、楽になった。」
「いえいえ~。どいたま。」

